京都・裏寺 メシと酒「百練」

第143回 三度目の柳ジョージ&レイニーウッド編

いつも黄桜の二級酒を飲んでいた。

「Time in Changes」というアルバムだったか「WEEPING IN THE RAIN」というアルバムだったかわからないけど、俺がお酒と出合い始めた頃にこういうアルバムが手元にあった。あの頃、離れの二階が俺の部屋だった。なぜかでかいベッドと木目調のでかいステレオと本棚だけのペンキだらけの部屋だった。いつも黄桜の二級酒を飲んでいた。水くさくてうまかった。そして柳ジョージのレコードをかけると飲まなければカッコが悪い感じがした。飲めばボリュームが小さく思えてチョット上げる。そするとまたコップに酒をつぐ。またしばらくするとボリュームが小さく思える。そうこうして隣に住んでいた奴や夜になればどこかからやって来る奴なども黄桜の二級酒を飲んでいた。「雨に泣いている」ではなく「雨に泣いてる」を聞きながら何を話して飲んでいたんだろう。
柳ジョージは「自分がだらしないので、歌だけはカッコイイ男の歌を歌ってるんです」となんかの取材で答えていたそうです。あー、今日は歌ってしまいましょう。「頬濡らすそぼ降る雨の優しさに 溺れることもできないで」

百練の酒は澤屋まつもとです。今日からおいしい汐ダラの一人鍋もご用意しています。ホヤの塩辛もあります。壬生菜のよく漬かったヌカ漬もあります。

バッカスの福音書その2の5の3章にこうあります。“毎日毎日乾杯をしなさい。それを一年十年三十年五十年続けなさい。乾杯のグラスがカラになってもおちょこになっても湯飲みになってもそれを続けなさい。それが出来た人生は不成功であってもゴキゲンに満ちている。”

さあ、今宵は三度目の柳ジョージ&レイニーウッド。チョット聞いては熱燗を飲みましょう。きっといい酒カマンベール。

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